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目白バースハウス(目白助産所)

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生まれる日は赤ちゃんが決める~今日のお産から~

「出産予定日」
それは、最終月経からの計算式を用いたものや、超音波エコーでの胎児の大きさから決定されるものです。あくまでも予定日ですから、その日に生まれると決まっているわけではありませんし、大体の方が出産されるのは、出産予定日の前後、数日から数週間と、かなり大きく幅があります。

しかし、出産予定日を迎え、そこから数日なかなか出産に至らないでいると、どうしてもそわそわ気持ちが落ち着かなかったり、何か生まれない原因があるんじゃないかと詮索する方が多いようです。
回りからも「生まれた?」「どう?」など、連絡がひっきりなしにきたりしますから落ち着かない事でしょう。

自分が出産予定日を遅れていることを、どのように捉え、ゆったりと過ごして自分と赤ちゃんに向き合っていくのか。そんな時の、とても繊細なあの気持ちは、きっと出産予定日を過ぎた人にしか分からない気持ちかもしれません。


さて、今日出産された方も、出産予定日を過ぎ、今か今かと待っておられた妊婦さんでした。何でもいつもきっちりやる性格のご夫婦。予定日までに生まれない、そんなこと考えてもいなかった!と。

赤ちゃんがきっといい時を知っている、自分の良いときに出てきていいんだよ~といいながらも、何をすれば生まれやすいのかとか日々頭を巡らせていたようです。ぼーっとゆったり、アドレナリンではなくエンドルフィンを出さなきゃいけないのに、どんどんアドレナリンが出てくるような…。あぁこれではいけないいけないと。

でも、出産予定日を過ぎたことで、
「子供は自分たちの子供だけど、決して自分と同じではない。」
「子育てをする時に思い通りなんて絶対行くわけがない。」
「この子の想いを存分に聞いて、この子が自分で決められる力を信じてあげて待ってあげる」
これから子どもと一緒に生きていく上で、とっても大事なんだよと教えてもらっている時間なんだ、と感じられたと話されていました。


そして今日、満月の満潮に合わせて赤ちゃんは元気に生まれてきてくれました。
生まれてきた瞬間、色んな状況が、あぁこの理由でこの子は今日じゃなきゃいけなかったんだ、今日しか出られなかったんだねということが分かりました。

自然の力を借りて、自分の力も最大限発揮して、そして頑張って生まれてきた赤ちゃんに「どうして遅く出てきたの?」ではなく、「かわいいねぇ、幸せだよ。頑張ったね、えらかったね」と笑顔で伝えてるお母さんを見て、ここ数日色々な思いが交差する中でこの日を待っていた彼女をそばで見ていた私は、ジーンとくるものがありました。

もちろん赤ちゃんはエクセレント!一歩間違えれば…の状況の中、なんて賢い子なんでしょ。お父さんと見つめ合う、そのお父さんはすっかり目じりが下がりっぱなしでした。

出産予定日はあくまでも統計上のもの。
本当の出産予定日は、赤ちゃんがちゃんと決めて知っているはずです。

赤ちゃんが自信を持って出てこられよう、お父さんお母さんは赤ちゃんの安心できる声掛けをし、生まれやすいように身体や心を準備しておいてあげることが大切ですね。

自分で決めて今日を選んで出てきた赤ちゃん、それを待って頑張りきったお母さんにお父さん、お疲れ様でした。そして本当におめでとうございました!!