今日は以外と晴れたなあなんて思っていたら、いきなりの雷と夕立。幼稚園の子なんか、お迎えに行ってもうひと遊び公園になんていう時間かしら…とちょっと心配になってしまいました。バースハウスの玄関前をずぶ濡れに走っていく小学生も居ました。外にいらっしゃった皆さん、大丈夫でしたか?
さてこんな雨、低気圧とお産の話。
低気圧や台風のときは出産が多いという話を聞いたことのある方も多いと思います。確かに私達助産師も、大潮など同様、その自然の力を感じることは多々あります。
陣痛が起こる機序のひとつとして、自律神経が関係していると言われています
自律神経は、普段自分で意識しなくても、勝手に働いているものです。心臓の動きもそうですし、食べ物を消化するのも自律神経の働きです。自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経は緊張したり活動している時に、副交感神経はリラックスした時に働きます。
出産や陣痛は、このうちの副交感神経が優位になったときに始まり、副交感神経は、身体や気持ちを緩ませるホルモンの分泌が活発になり、身体がお産に適した状態になりやすいのです。
そして台風や嵐の時も、私たちの身体は副交感神経に支配されます。低気圧は酸素濃度を低下させ、空も薄暗くなります。そのため、人は活発に活動することができません。つまり、今は休むときなんだと身体が認識するのです。特に台風や嵐など、大きな低気圧が訪れるときには、この副交感神経優位の状態が急激に起こるため、身体もそれに適応した状態になりやすいのです。
また、睡眠も副交感神経で起こります。なので、陣痛が夜中に起きやすいとも言われています。特に丑三つ時ともいわれる午前2~3時は多いと昔から言われています。
とはいえ、みんながみんな、そのような力だけでうまくお産になるわけではありません。
出産の始まりの1つである陣痛。この陣痛、最近は、予定日になってもなかなか陣痛が来てくれない。陣痛が来てもなかなか強くならなくてお産が長引いた。など、うまく陣痛がついてくれないという話をよく聞きます。仲間の助産師や医師に聞いてもそのような人が増えていると聞きます。
自律神経の働きは人間のとてもうまくできているシステムですが、普段からこの自律神経がバランスよく働いていないと、いざ出産になっても、このような低気圧があったとしても、なかなか体が反応してくれません。普段からしっかりと交感神経を優位にするときと副交感神経を優位にするバランスを整えておくことが、このような自然の力を最大限利用して赤ちゃんとお母さんが少しでも楽に出産できるコツになります。
まずは、①副交感神経が優位になる22時~2時くらいの時間はしっかり睡眠をとる事
②寝る前にパソコンや携帯など、目を酷使する作業は控える事
③お風呂は寝る直前には入らず、ぬるめのお湯でゆっくり入る事
簡単なようですがとても大切なことです。
そしていざ陣痛がきたらリラックス。心も身体もゆるゆるな状態で臨んで、赤ちゃんもお母さんもみんなが良いお産ができるといいなと思います。