赤ちゃんにとって、お腹の中で大きく成長していくために必要なものは沢山あります。羊水や胎盤、臍帯・・・。その中でも臍帯と呼ばれる「へその緒」は日本人にとって馴染のある、誰もが一度は耳にしたことがあると思います。実際に自分のお母さんが、へその緒を桐の箱に入れて取っておいてくれたのを見せてもらったり、嫁入り道具としていただいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。取れたへその緒をとっておくのは、日本独特の風習なのだそうですね。
そんなお母さんの子宮の裏側についている胎盤から出ている「へその緒」。それは赤ちゃんのお臍に付いていて、お母さんからへその緒の中の3本の血管を通して、栄養と酸素をお腹の中にいる間中ずっとずーっと貰っているのです。赤ちゃんにとっては本当に命綱。
へその緒自体が捻じれていることで、絡まりにくくなっていたり、たまにへその緒を首や体に巻きつけて出てくる子は、へその緒で締め付けられて苦しくならないように陣痛に強弱をつけたり間隔を自分でコントロールしたり。そして太さも長さも皆違うのです。平均50㎝くらいとされるへその緒ですが、以前目白バースハウスで産まれた、首になんと5重にもへその緒を巻いてきた子の長さは120㎝もありました!また、胎内記憶のある子が、「お母さんがこの紐は大切なものだから、その紐で遊んじゃダメだよって言ってたから触らなかったよ」なんて話してくれた子も居ました。赤ちゃんというのは、自分の命を繋ぐ大切さをちゃんと分かって出てくる。なんて賢い人なんだろうと感心してしまいます。
そしてへその緒は出産後はさみでカットし、赤ちゃんとお母さんは離れ離れになります。でも離れ離れと言っても、ここからはおっぱいで繋がり、抱っこでつながり、大きくなれば手と手を繋いで、いつまでもお子さんとお母さんの絆は切れることがありませんね。
これは先日生まれたお子さんとお母さんを繋いでいたへその緒が乾いたもの。長いまま乾燥させて、繋がっていた証し、良い思い出です。