私が参加させてもらっている鍼灸の勉強会で、今年は江戸時代のある古典文献を読んでいます。
そこには、「無心で鍼をすること」「お灸には補うとか写すとかの計らいがないから良く効くのだ」というようなことが書かれています。
無心で鍼をするとは、心静かに雑念や「治そう」という気持ちすら持たずに、ただ無心に鍼をするということで、自分を無にすることで天の力、自然の力がはたらくのではないかと考えています。
今朝、鍼灸をさせていただいた来週予定日の妊婦さん。
今週末からのご主人の連休を控えて陣痛を待つ日々です。
昨夜も、「次また痛くなったらバースハウスに電話だ!」と待ち構えていたら、次は無かった・・とのこと。
前駆陣痛が続くと、「今日こそは来るか?」と構えてしまいますが、たいていは待ちくたびれて、「もういいや~来るときは来るっしょ」という感じになったときに、お産が始まります。
今朝の妊婦さん、妊娠成立の時も、「今回は排卵がうまくいかなかったかも」と暴飲暴食していたらなんと妊娠していたそう。
不妊治療していてあきらめた時に妊娠した、というのもよく聞く話ですよね。
そういえば数週間前に逆子がなかなか治らなかった妊婦さんのときも、「明日はもう病院行かないとね」と言って妊婦さんも私たちスタッフも「逆子を治そう」という気持ちよりも「もう赤ちゃんの好きにしてもらうしかないね」とゆだねた時に、なんと回ってくれて頭が下になったのでした。
妊娠も出産も自然のちから。
鍼灸も治そうとするエネルギーがうまく働くきっかけを作ろうとしているだけであって、やはり自然のちから。
私たちはその自然のちからを信じて、それがうまく働いてくれるよう謙虚に、無心であろうとすることの大切さを実感した今日です。
まあ、それがとっても難しいのですけどね。
さあ今日の妊婦さんも身体は整いました、あとは赤ちゃんと自然のちからにまかせましょう。