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目白バースハウス(目白助産所)

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心構え

禅宗寺院で食事を作る僧侶の役職を“典座(てんぞ)”といいます。
精進料理の本を読んでいて、典座が調理に際し忘れてはならない3つの心構えである“三心”が強く印象に残りました。


三心

喜心
自分が今こうして典座の役割をいただき、料理を作ることができる喜びを感じなさい。

与えられた材料でいかに良い料理を作ることができるか工夫し、自分が作った料理を食べてくれる人の笑顔を思い浮かべながら、今自分にできる最大の努力をするということ。

老心
相手の身になって調理すること

どうしたらもっとおいしくなるだろうか、どうしたら見栄え良く仕上がるか、どう盛り付けたらより食べやすいか。それを追及する工夫こそが大事

大心
ささいなことで心惑わさず初心を忘れず、常に向上心を持って料理に取り組むこと

気が向いた時にだけ丁寧にしたり、あるいは良い材料の時だけ張り切ったりするのではダメなのだということ。

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この3つは、家庭やバースハウスで毎日のごはんを作る時に心がけたいことでもありますし、そして食事だけにとどまらず日常生活のあらゆる面でも活かすことのできる心の持ち方だなと感じました。

そして感謝の念。
「このように食材の持ち味を充分に活かして丁寧に調理され恭しく送り出された食事には、食べる側にも相応の作法と態度が必要となる」と本には書かれていました。

食事前に五観の偈を唱えるそうです。

五観の偈(ごかんのげ)

一つには功(こう)の多少(たしょう)を計り、彼の来処(らいしょ)を量る(はかる)

この食事が作られるまでにかけられた多くの手間と労力を考えてみよう

二つには己が徳行(とくぎょう)の全欠(ぜんけつ)とはかって供(く)に応ず

自分はこの食事を食べるに値する正しい行いをしているだろうか

三つには心(しん)を防ぎ過(とが)を離るることは貧等(とんとう)を宗(しゅう)とす

むさぼり、いかり、おろかさ等の欲のおもむくままに食べることがないよう自らをいましめよう

四つには正に良薬を事とするは形枯(ぎょうこ)を療ぜんが為なり

美味を楽しむために食べるのではなく、この身が痩せ衰えるのを防ぐための薬としてありがたくいただきましょう

五つには成道(じょうどう)の為の故に今この食(じき)を受く

仏道を成就するという願いのために、この尊い食事をいただきます

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ふむふむ。勉強になります。
作る側のまごころと、いただく側の感謝のこころが合わさってこそ、体の中から良いエネルギーやパワーが満ち溢れるものなのかもしれませんね。


無意識に適当な感じになりがちな「いただきます」と「ごちそうさま」ですが、ちゃんと手のひらと手のひらを合わせ大きな声で感謝の気持ちを持って言いたいものです。


ではまた、ごきげんよう。良い連休を(^^)