朝起きても、外に出ても「おっ、寒い」と声に出してしまう季節になりましたね。身体を冷やすことによる不調や変化には敏感になっておきたい季節です。温めるように心がけて、元気に過ごしたいものです。
身体を温めるといえば、「生姜」が有名です。この生姜、実は生よりも断然乾燥させて使った方が、身体を温める効果が高いことが分かっています。
生の生姜は手足の先にある末梢血管を押し広げることで血流を良くし、体中に熱を運ぶ効果があることから一時的な冷えの改善を体感できます。これは、生の生姜に多く含まれている、「ジンゲロール」という物質の働きによるものだそうです。
ただしジンゲロールの発汗・解熱効果によって熱を外へ出そうとする力が働くと、徐々に体が冷えてくることもあります。
それに対し、加熱や乾燥をさせた生姜は、「ジンゲロール」が「ショウガオール」という物質に変化します。ショウガオールは代謝を良くし、人が活動するために必要なエネルギーを生み出し、それが脂肪の燃焼を助けて熱を発生させるため、熱は身体の深部から作り出され温かさが持続するのだそうです。
「ショウガオール」、オールOK!みたいでネーミングがgoodです。
乾燥生姜は、しょうがの薄切りを2~3日天日干しするだけの作り方も簡単なもの。冬は室内でも十分乾燥しますよ。短時間で作りたいならオーブンでも出来ます。お味噌汁に入れても、紅茶に入れても、手軽に取り入れることができて重宝します。
日本最古の医学書である「医心方(いしんほう)」には「平安貴族たちがすでにこの頃、生姜の薬効を認め、風邪薬として愛用していた」と記載されていますし、6~7割の漢方薬には生姜が入っていることからも、様々な薬効が期待できることが分かりますね。
ゴロンと買ってもついつい使い切れずに古くなってしまいがちな生姜、ぜひ乾燥生姜も試してみてください。