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目白バースハウス(目白助産所)

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妊娠とつわり

先日ある妊婦さんから、つわりがひどくて上の子のごはんも作れなく辛い、というお電話を頂きました。
今食べられるのはグレープフルーツとも。


妊婦さんが最初に悩まされる症状につわりがあります。
症状は軽度から重度の人までありますが、9割近い人に発症しています。
しかし、現代医学はほとんどの妊婦さんに発症している“つわり”に対して、決め手となる処置法がありません。
つまり、胎児への影響を考慮して積極的には薬物治療を行わないからです。
つわりの原因ははっきりとは解明されていません。
ただ、つわりを感じる週数や終わる週数を考えると、赤ちゃんを育てる胎盤の完成時期とかかわりが大きいようです。
なので、大体の方は妊娠20週頃には治まっていることが多いでしょう。

つわりの辛さは体験した人にしかわからないかもしれません。
気持ち悪いだけでなく、精神的に不安定になったりもします。

 
私も二回の妊娠とも食事がとれない、吐いてしまうというつわりに襲われましたが、どう頑張っても良くならない、頑張りようのないあの辛さは本当につらかったです。
出産の痛みは何となく忘れても、あのつわりの辛さは忘れることができません。
でも、お腹の中で必死に生きようとしている赤ちゃんを思うと、そしてそれを受け入れようとしている自分の身体がこんあに頑張っているんだと思うと、少し頑張れたような気もします。
旦那も、出産に立ち会うより、つわりの相手をしている時が一番つらかったと今でも言っています。

私の場合、つわりの初めころはほとんど食事は口にできないか、しても吐いてしまう状況でしたが、少し治まってくると、まず果物が食べられたり、炭酸水が飲めたりしました。
 
目白バースハウスでは日頃から体を冷やさないよう、冷たい物や体を冷やす作用のある食材をそのまま摂らないようアドバイスしています。
しかしつわりを体験した方の中で、どうしても冷たい物が欲しくなったり、これしか食べられないという経験をした方も多いのではないでしょうか。
つわりを経て、母体のみではなく、胎児を宿した母体として心身の調和を図っていくので、この時期にあれこれ我慢や抑制をすることは良いとは思えません。
妊娠20週以降の身体は、冷やすことの身体への影響力は大きいと感じますが、それまで特につわり時期は食べられるものを食べ、少しでも楽と思えるようにストレスを軽減させていく事の方が重要だと感じます。
実際、精神的に不安が大きかったり、人間関係家族関係で問題を抱えていたりすると、つわりがひどくなったり長引いたりと言うこともあるようです。

 
また、人によってはツボ刺激も有効な時があるようです。
「内関」と呼ばれる、嘔気・嘔吐の症状に使用されるツボです。

手首の関節のひだから肘の方へ指4本分上のところで、掌側の手首から肘に向かって走る2本の筋があります。その筋と筋の真ん中です。
ツボにはお灸も効きますが、つわりの方はお灸の匂いも敏感になっていらっしゃるでしょうから、指で刺激するだけでも、米粒を絆創膏で貼っておくというやり方もあります。
ぜひ試してみてください。

 
そして、つわりの最中は人に気を使うこともできず、日によっては返事すらできない状況になってしまいますが、症状が落ち着いたら是非ご家族への感謝の気持ち、赤ちゃんへの感謝の気持ちを言葉行動で伝えるようにしてみてください。
そしてご家族の方、つわりの方をそっと見守り、できる限りのサポートをお願いします。


私はつわりで辛いのは自分だけではないということを学びました。
そしてつわりを経験したことで、更に家族のきずなが強くなったと実感しました。
そう思うと、つわりも悪いことばかりではないですね。