お産ラッシュの中、出産された方のエピソードです。
妊娠中から、お母さんの赤ちゃんへの話しかけがとっても素敵だなと感じていました。やはりお産もそんな話しかけが如実に表れたお産でした。
日頃から私たちは赤ちゃんへの話しかけの重要性を妊婦さんたちにお伝えしています。自分に興味を向けてくれて、そして関心を示してくれることは、子供にとってはとても嬉しいこと。そしてそれが絆や関係性を築いていくことを確信しています。なので、話しかける言葉もネガティブな言葉ではなく、言われて嬉しいような心温まる声掛けにしてねとお伝えしています。
このお母さんはもちろんそのような言葉かけをしていらしていたのですが、その中でも、決して「指示するような話しかけ方はしないようにしている」と話されていました。かといって、好きなようにしていいよと「お任せしすぎる話し方もしないようにしている」ともおっしゃっていました。
いつも「こうするのはどうかな?」とか「それってどういうこと?」と、誘うような声掛けや赤ちゃんが自分で選択できるような自己決定できるような声掛けを心がけていたそうです。
目に見えない存在の赤ちゃん、言葉も音として聞こえてこない赤ちゃんとの意思のキャッチボール。最初はとっても難しいんじゃないかな、と思っていたそうですが、むしろ自分の体内で赤ちゃんが全身全霊で反応してくれるから、自分も頭ではなく身体と感覚ですんなり理解できていたそうです。本当に素晴らしいですね。
そしてお産当日。
そんなキャッチボールの中、もう来るのだろうなと感じていたお母さん。その日の朝、「出ておいで」でもなく「自分の好きな時においで」でもなく、「出てきてもいいんだよ~」とお話をしていたら、ちょっとずつちょっとずつ波が来て、本格的な陣痛が来てからは6時間ほどの大安産でのお産となりました。赤ちゃんも「どお?」っていうような誇らしげな顔で出てきて、思わず「素晴らしい!」と言ってしまいました。
これからの時代、「選択する力、自己決定する力」が本当に大切だと思っています。そんな素敵な宝物をお母さんとお父さんが育ててあげられてプレゼントしてあげられていることは一生ものですね。これからのこの子の成長が本当に楽しみです。