38歳で初産となることが決まって、最初は設備の整った総合病院で生もうと思いました。が、日が経つにつれ、分娩台や会陰切開への嫌悪感が無視できなくなり、妊娠前に興味を持っていた目白バースハウスに連絡をしました。恐る恐る「38歳なのですが、そちらで産むことはできますか?」と電話をしたのを覚えています。
目白バースハウスで産もうと思った決め手は、見学会で「赤ちゃんがいかにストレスなく生まれるか」を大事にしていると知ったからでした。
出産は母体だけでなく、子にとっても一大事なこと。それに気づいてから、子供が健やかになるには、今私に何が出来るかが常に頭の片隅にある毎日となりました。そんな気持ちでいたからでしょうか。妊娠中はとても満たされた気持ちで過ごし、あれこれ不安に思わず、助産師さんの指導だけを聞いていました。
出産については、私自身が2週間遅れでの出生だったので、過期産の心配しかしていなかったのですが、まさかの38週での破水。心の準備の整ってない中始まりました。ただ、破水から始まったことで①タイムリミットがあること②子の心音が安定しているうちに出してあげたいこと③出産は一回終わったらぶり返す痛みではないこと。この3点があったので前向きに取り組めました。
井上先生から「ネガティブなことを言うと、赤ちゃんも不安になる」と教わっていたので、陣痛中の赤ちゃんに語りかけをし、その自分の言葉に励まされていた気がします。そしてそれ以外の不安は助産師さんたちに丸投げし、気をしっかり持つことに集中できました。
出産は6時間で終わったのですが、予想外に大変だったのは産後でした。全身の筋肉痛で身体に力が入らなくなり、身動きもままならない状況に不安と恐怖で泣き通しでした。母にならねばならないのに、わが身のことでなく自分への情けなさにも…。でもそんな時、星野先生を始め、皆さんから「みんなそうだよ、頑張らなくていい。頑張るところを間違えないで」と思いきり甘え、泣かせてもらったお陰で、翌日にはスッキリ回復できました。
産院は出産のための場所。と思っていましたがそれだけではありませんでした。私自身も育て直し、母にしていただきました。この場があったから、こんなに良い妊娠・出産が出来、女性に生まれて幸せだと思えることが出来ました。健やかに産ませてもらった命を、健やかに育てていきます。